9/7放送の同番組において、「顔面のひどい肌荒れの原因が外用ステロイドだった」といった内容がありSNSなどで問題となっております。
放送された内容は、患者さんに極端な恐怖や不安を感じさせてしまいその結果正しい治療から遠ざけてしまう可能性があり、多くの皮膚科医や小児科医から問題視する声が上がっています。
「脱ステロイド」は数十年前にも不適切な報道によりブームになったことがあり、その際には、いわゆるアトピービジネス(標準治療を否定して代替療法を売りつけるビジネス)が氾濫し、多くの方が被害に遭いました。
テレビ番組の医学情報はエンターテイメント的な意図で製作されており医学的に正しいとは言えないものが多いのですが、このような医学的に有害となりうる内容が放送されてしまうことは、医療者特に外用ステロイドを日々診療で用いる皮膚科医としてはとても残念です。
アトピー性皮膚炎など外用ステロイドによる治療が必須の疾患をお持ちの方には、今回の報道は不安なものだったかもしれませんが、ステロイドは正しく使えば安全性の高い薬です。
現在では、適切なステロイドのやめ方(減らし方)と症状のコントロールについての方法が確立されてきています(プロアクティブ療法)。
当院では、一定以上の重症度の方にはこのプロアクティブ療法について初診時に説明しております。
アトピー性皮膚炎の治療に関しては下記ページをご参照ください。
塗り薬にご不安がある方はどうぞ遠慮なくその旨を医師にお伝えください。