イボwart
イボとは
一般的には、小さな皮膚の突起物を指してイボと呼ばれていることが多いようです。医学的には、様々な”イボ”があり、その種類や大きさ深さによって治療法が異なります。イボの種類や治療法によって保険が適用されるもの、適用されないものがあります。イボが気になる方は一度ご相談ください。レーザーで取りたいなどの希望がはっきりある場合を除いて、保険診療でご受診ください。
”イボ”と呼ばれることがある主な疾患
ウイルス性疣贅(いぼ)
いわゆる“イボ”は、ウイルス性疣贅を指していることが多いです。ウイルス性イボは、老若男女から小さい子供にもできます。
手足や顔にできることが多いですが、身体中のどこにでもできます。このイボは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染による疾患です。HPVにはHPV 1, 2, 3,〜と100を超える多くの種類(型)があり、主に皮膚のイボに関連する型、生殖器(婦人科や泌尿器科領域)に関連する型とがあります。
生殖器関連の型の中にはイボが癌化するタイプのウイルスの型がありますが、皮膚に関連するHPVの多くはこれらのウイルスとは型が違い、皮膚のイボの多くは良性です。
皮膚のイボの中でもウイルスの型により、できやすい部位やイボの見た目に特徴があります。手足にできるイボは硬くゴツゴツしたイボが多く、隣にできたイボとくっついて大きいイボになることもあります。また治療回数が多い傾向にあります。顔にできるイボは、小さいけれど棘のように隆起したものや、小さく目立ちにくいイボが多数できることが多いです。
当院では(顔や首以外の)ウイルス性イボは、液体窒素による冷凍凝固法で治療しています。
※当院では足裏の大きいイボなどに対する切除術、モノクロロ酢酸などによる化学的除去(保険外)は行っておりません。
脂漏性角化症
加齢に伴って増えることが多く、 “老人性角化症”とも言われるイボです。加齢と言っても体質によっては20代でもできることがあります。顔や体にできる、平坦に盛り上がった黒〜茶色のイボです。良性であり、感染して増えることもなく、放置しても問題ありません。1ミリ程度の小さいものから、1センチを超えるものまで様々な大きさのものがあります。擦れて邪魔、見た目が気になる、などの理由によりご希望の場合は治療を行います。
軟性線維種
ワキや脚の付け根〜太ももの内側など柔らかくて擦れやすい部位にできることが多い、軟らかいイボです。擦れて赤みが出たり痛みを感じることで受診する方も多い、比較的頻度の高い良性腫瘍です。放置しても問題ありませんが、サイズが大きく擦れるなど日常生活に支障があるものは切除の対象です。この腫瘍は腫瘍そのものが大きくても根元が非常に小さいものもあり、この場合は短時間の小手術で取れるため(保険診療)、擦れたり引っかかったりしてお困りの方はご相談ください。
稗粒腫(ひりゅうしゅ・はいりゅうしゅ)
目の周りなどにできることの多い白っぽい小さい粒のような腫瘍です。成人だけでなく小児でもできることがあります。放置しても全く問題ありませんが、大きく目立つものの場合はご希望に応じて摘出しています。皮膚の浅い層の小腫瘍であり通常麻酔は必要なく比較的簡便な処置で摘出可能です。
保険診療の範囲で治療を行っていますが、たくさんをまとめて取ってほしいなどのご希望には沿えません。ご了承ください。
脂腺増殖症
おでこや鼻のイボとして受診される方の中には、脂腺増殖症という腫瘍も含まれます。脂腺増殖症とは、中年以降に顔面、特に脂漏部位(額や鼻など脂っぽい部分)にできることが多い、皮脂を作る皮脂腺の部分の皮膚腫瘍です。1~数ミリ程度の大きさで、小さいとニキビのようにも見え、大きいものだと真ん中が少し凹んだ赤~黄色っぽいできものです。放置しても悪い影響はありませんが、大きくなると目立ちます。
当院では脂腺増殖症は、ポテンツァAチップの治療を行っています。炭酸ガスレーザーで蒸散して除去する治療と比べて、ポテンツァでは皮膚表面への影響は最小限に抑えつつ高周波により増殖した脂腺を縮小させます。治療直後に腫瘍の縮小を認めることもあります。施術後のケアもほぼ不要で施術時間も長くないため、喜ばれることの多い治療です。
その他の小さい皮膚腫瘍
皮膚には様々な種類の腫瘍ができます。全身に皮膚腫瘍が一つも無い方はまずいません。内臓と違い、皮膚にある腫瘍はごく小さいものでも気になって受診する人が多いのは皮膚腫瘍の特徴と言えます。ホクロもその形状によっては”イボ”として受診されることもあります。切除やレーザーなど大きさや部位に合わせて適切と思われる治療を提案しています。
皮膚腫瘍の多くは良性疾患であり必ずしも除去する必要はありませんが、短期間で大きくなったものなどは早めに皮膚科でご相談ください。
イボの治療法
手足のウイルス性イボは冷凍凝固による治療が最も一般的ですが、他のイボはサイズや部位によって提案する治療が異なります。特に自費診療の場合は施設によって方法や料金が異なります。きちんと説明を受けた上で治療を受けるかどうかご検討ください。
ご本人が”イボ”と考えて受診されても診察した結果が別の疾患であることもありますので、気になるイボはまず皮膚科でご相談ください。
保険診療
冷凍凝固法(液体窒素)
ウイルス性イボで最も一般的な治療法で、保険診療が適用されます。冷凍凝固法はマイナス196度の液体窒素をイボに当てて凍らせることでイボ細胞を壊死させてイボを縮小させていく治療です。痛みはありますが、数秒〜十数秒程度であるため麻酔を行うことはありません。
冷凍凝固法は、ほとんどの保険診療を行う皮膚科で治療を受けることが可能です。治療は約2週間ごとで、手指や足裏などの部位では治療が数ヶ月以上にわたることも珍しくありません。通院しやすい医療機関を選びましょう。当院では、手足のウイルス性イボに対しては、ダーモスコープ※という機器を用いてイボの血管の特徴など残存病変を確認しながら冷凍凝固法を行っています。※この機器での確認に料金は発生しません。
顔の小さいイボに対しては色素沈着のリスクが高く、当院では冷凍凝固法での治療は行っていません。
自費診療
主に脂漏性角化症など顔や首などの小さいイボにはレーザーなどの機器を用いた治療を行っています。イボのサイズ・数や部位、ダウンタイムや自宅処置の簡便さなどの観点から適していると思われる治療法を提案しています。
デルマトロン
デルマトロンという電流を用いた機器でイボを焼きます。焦がすようなイメージです。イボの先端のみを焼くことができる機器で、できる限りイボの付け根部分の皮膚に色素沈着が残らないよう治療します。小さいイボに向いている治療で、1㎜程度の小さい首のイボなどには特にお勧めできる方法です。治療時間は、1個のイボに数秒程度です。
炭酸ガスレーザー
水分に吸収される波長のレーザーを用いて、イボを蒸散します。カサブタや擦り傷のような状態(イボの部分だけなので傷は小さいです)が1−2週間程度続きます。顔にある厚めのイボなどではこの治療を提案しています。体幹や四肢の脂漏性角化症でも同様に治療可能ですが、色素沈着は顔よりも長く残りやすいことは説明した上で行っています。
保険診療か自費診療か不明な場合
イボの場合は、それがどのようなイボかまた本当にイボなのかどうかなどまずは診察が必要です。当院では、どのようなイボでどの治療が適しているかを診察した上でお伝えしています。仮に保険診療での治療の適応が無い場合にも、自動的に自費診療に切り替わるようなことはありませんので、レーザーで取りたいといった明確なご希望がある場合を除いては保険診療でご受診ください。
追って記載のある料金表は全て自費診療の治療に関するものです。自費診療を受ける場合は、施術料以外に自費の診察料も発生します。詳細は料金表をご覧ください。
多発している場合
顔面のウイルス性イボや首のアクロコルドンでは、小さいものが多発していることもあり、一個ずつ取る場合は治療回数が多くなります。数が多い方では、数十個をまとめて取ることも可能です(予約制)。料金も一個ずつの場合に比べると多少お得となっています。小さいカサブタが複数できるためダウンタイムがありますが、ご希望の方はご相談ください
多発する小腫瘍をまとめて取る治療について
- ダウンタイム
- 1−2週間小さいカサブタがたくさんある状態です。取れた後も軽度の赤みや色素沈着が残ります。メイクや洗顔入浴などの制限はありません。
- 痛み
- ビリビリ・ジリジリとした痛みがあります。一個ずつの治療時間は短いですが、複数まとめて取るため合計の治療時間は多少長くなります。
料金
デルマトロン(1㎜程度首イボ)20個まで | 11,000円(税込) |
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局炭酸ガスレーザー(2㎜以下)30個まで | 66,000円(税込) |
局炭酸ガスレーザー(2㎜以下)60個まで | 110,000円(税込) |
別途診察料がかかることがあり。 料金表のページ参照。